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情事2 ※
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早くこうすればよかったのだ、僕は思った。
僕は、もっと早く、こうすればよかったのに。
わかっていながら、運命に抗っていたのを後悔する人のように僕は思った。
必然の流れに逆らって、時計の針を無駄に回していた、と。
弓弦さんの手が、僕の身体に刻印してまわるたびに、僕は、その思いを強くした。
これが正解だったのだ、と。
僕の心の封印を解いて回る弓弦さんの手を、儀式のように、僕は辛抱強く、耐えて待った。
夜のしじまが支配する空間で、僕は息をひそめて、儀式の終わるのを耐えた。
「ん」
あがる息を堰き止められなかった僕の喉から、息が漏れて、その空気さえもが、喉を新たに熱くした。
「声を、我慢しているの?」
弓弦さんが、低い声で聞いた。
「もっと楽にしていいよ」
弓弦さんの手が僕の耳や首筋を撫でた。
僕は、火が着いたように陶然となって、頭を反らした。
すると、髪をかきあげようとしていた弓弦さんの手が僕の首の後ろをすべり、僕の身体を抱き上げるようにして、胸のほうへ引き寄せた。
僕はすがりつくように、引き寄せられた。
弓弦さんのうつむけて差し出された顔に、僕は唇を求めた。
しびれるような快感が僕を襲った。
耐え切れないような快感が電気のように、全身を抜けた。
弓弦さんの手がせわしなく僕のパジャマの上着をめくり上げて擦った。
僕は、全身を廻る媚薬のような熱から逃れるために、自分で上着のボタンをはずしかけた。
弓弦さんの手が僕の後ろを下の方へすべったのに気づいて、僕は
「はっ」
と息を漏らして、弓弦さんの身体に、斜めに覆いかぶさってすがりつき、尻を突き上げた。
弓弦さんの手が、僕の下半身から、ズボンと下着を腿のあたりまで下げた。
「卑猥だ」
弓弦さんが言った。
僕は、剥き出しの尻を生白くひんやりと闇に突き出していた。
「ん、んん」
弓弦さんの言葉に欲情した僕は、じりじりと脚を開いた。
早く、早くさわって。
僕は、弓弦さんの前に露わにさらされた、自分のみだらな姿を想像した。
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