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燕の死
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よく朝。
窓の下に、鳥の羽が散らばっていた。
最初に目を留めたのは一枚。
一枚、
二枚、
ばらばら、
山のように。
血。
喉ぶえをかききられた燕、死んだ。
獣が戯れに掻いたのか。
戯れに。
ただ弄ぶだけの目的で。
幸福の燕。
軒先に巣を作り、幸運を運びこむという燕。
僕は、傷ついて死んだ小鳥を
自分の屍骸を見るように、見下ろした。
もう一匹の燕が、狂ったように、いなくなった恋人を捜し求めて飛び回っていた。
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