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「僕は鉱石から人間になった最初のものなんだ
機構が色々調べている間に隙を見て逃げ出したのさ
一緒に地上へ生まれ出た孔雀石を探しにね」
アズルは懐かしい眼差しでエイラートを見つめる
随分時間がかかり、不安定な肉体は記憶喪失に陥ったりしたがようやくたどり着けた
「祖父の家に流星を見に来たと言うのは?」
「博士たちに見つかったときの嘘さ
君をどうやって盗みだそうかずっと悩んでいたけれど
まさか君も人間になっていたなんて」
警戒していたエイラートの表情が和らぐ
抱き締められたときの肌の温もりを思い出したのだ
もう一度アズルが手を差し出すとエイラートが握る
「これからどこへ行こう、兄さん」
「どこへでも
僕らは好きなところへ自由に行けるんだ」
天馬座の流星群が夜と朝の間に向かって転がり落ちて行くその先に兄弟たちは手を取り合って駆け出した
【了】
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