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にじゅうに
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ついに
ついに
ついに
ついに‼︎
「田端を家に誘ってしまった……」
「は、マジ?」
「え、なになに、なんの話?」
昼休み、高岡と北村と屋上で昼飯を食っていた。北村は何のことだと、メロンパンの生地の欠片を口の端に付けながらぽかんとしている。
そーいえば、北村にはまだ話してなかったな。
「勉強教えてもらえとは言ったけどまさか家に呼ぶとは。さすが手早ぇな」
「馬鹿野郎、へんなこと言うな!」
「え、なになに!なんなの!ねぇ!」
なになにと俺の制服を引っ張る北村がウザいので事に至る件を全て話した。
「マジか、マジなのか旭…」
「…引いた?」
「いや、引かねぇけど。引かねぇけど、女に飽き足らずついには男に手を出したか、…って、いってぇ‼︎そんな本気で殴んなくてもいいだろ?!」
そんなつもりで田端を家に誘ったつもりは毛頭ない。
「んなわけねぇだろ!」
「こう見えて旭マジらしいよ」
「へー!…でも、田端とか旭みたいなタイプすっごい苦手そうなのにな」
「それは俺自身も思ってるから。だから徐々に徐々に距離を縮めようとして、だな?」
それだから高岡に言われたようにまずはお近づきになる為に勉強教わろうと思ったんじゃん?
「現に、田端はオッケーしてくれたよ?」
「お前半ば強引だったんじゃないの?」
「旭だもんなぁ!あり得そう!」
……まぁ、強引って言やぁ強引だったかもしんねぇけど。
それでも色々条件絞ったり選択肢与えたわけだし、うん。100パーセント無理矢理ってこともないと思う。
「変なことすんなよ」
「しねーよ、馬鹿!」
「旭、チャラチャラだもんね」
「人聞き悪りぃんだよ」
「事実だもん」
むしゃむしゃとパンを頬張る北村にこめかみがピクリとしつつ、高岡にまぁまぁと抑えられるがお前も大概酷いこと言ってるからな?
「次の日休みのがいいって事で毎週金曜日にする事になった」
「泊まるわけでもないのに?」
「っ、…んん!…んなつもりねぇよ!」
飲みかけのジュースが肺に入りそうになってむせる。
「勝手に話進めんな‼︎いいか?勉強教えてもらうだけだから‼︎」
「わかってるよ。お前も真面目にやれよ?田端の貴重な時間貰うんだし」
「もちろん。次のテストの点数、お前らなんか相手になんねぇくらい突き放してやるからな」
「はいはい」
昼休みも残り10分だが、北村がちょうど4個目のメロンパンを食べ始め出した。
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