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二十五
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「ん、入って!」
川崎君に促されながらドアの中に入る。
学校が終わってから川崎君の家に来るまではあっという間で、電車でなにを話したとか全く覚えていない。終始どきどきしながら曖昧に相槌を打ってたけど。
そしたらいつの間にか川崎君の家の前まで来ていた。家の造りは外観がとてもオシャレで無駄に緊張してしまう。
「今日姉貴仕事休みでさ、家にいるけど気にしないで!」
「あ、うん…大丈夫。…お邪魔します」
どきどきしながら靴を脱いでると、
「ふふ、こんにちは〜。ゆっくりしてってねぇ〜。…旭が高岡君達以外にもお友達連れてくるなんて珍しいね」
「俺が無理言って連れてきちゃったんだけどね。あ、同じクラスの田端!」
「…っ!こ、こんにちは!た、田端洋です!」
川崎君のお姉さんがいた。
お姉さんも川崎君に似て眉目が整った可愛らしい人だった。川崎君よりもおっとりとしたイメージだけど。
「俺の部屋2階だから着いてきて!」
こっち、と言って俺の荷物をあっさりと持って階段を上ってしまう彼に慌てて着いて行く。
「まーじで、片づいてないから」
「あ、…うん…」
そう言って部屋のドアを開けてくれたけど、中に入ったら全然そんな事なくて、物がないわけじゃないけど川崎君らしいって行ったら失礼かな?…でも、川崎君らしい部屋だった。俺が言うのも変だけど、きっと一般高校生の部屋ってこんな感じ。
「座る所くらいはあるから許して」
ケラケラ笑う川崎君に座るように言われるが、人の家に上がるのがなんせ久しぶりなので…
「はは!なんで正座なんだよ。もっとリラックスして座ってよ」
思わず正座になり動きがカチコチになってしまう。
「え、あっ…そ、そっか…」
「むしろ今日は俺が教えてもらう側で、田端は先生みたいなもんなんだからさ〜。俺が正座しなきゃかな?」
くすくす笑って川崎君がベッドにドサリと腰掛ける。それと同時にふわっと川崎君の匂いがしてドキッとしてしまう。
今までこの部屋に何人の子が入ったんだろうか……
俺がそんな事気にする必要なんかないのに。
ふと、さっきお姉さんが言っていた事を思い出した。
高岡君達以外にもお友達連れてくるなんて…
あの2人以外を家に招く事はあまりないんだろうか。でも、やっぱり友達と彼女だと別なのかな。友達はあまり連れて来なくても彼女は連れてきてる?
そんな事俺が気にしたって本当に意味なんか無いのに………。
それでも胸がチクチク傷まないわけではなかった。
「田端!」
「へ?!…あ!ご、ごめん‼︎」
「なんだ?その返事。早く始めよーぜ」
ニコニコしてる川崎君はいつの間にか俺とテーブルを挟んで向かい側に座っていた。
うん、そうだよ。俺は勉強を教える為に呼ばれたんだから。もやもやする思いを深呼吸で正して自分も勉強道具を取り出した。
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