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にじゅうろく
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ついに田端を俺の家に招いたわけだが……。
「お前なんで正座なんだよ〜」
「あ、そ、そっか!ごめん…っ」
何故かめちゃくちゃ畏まって座る田端。俺の家に来るまでの間も、電車の中では俺が何か話しかけても上の空だったりボーッとしたりしてて。まぁ、そりゃあ馬鹿の俺の勉強のおもりとか面倒くさいだろうなぁ。ごめんな、田端…。
家には姉貴がいて田端に挨拶してたけど、ちゃっかり俺が友達家にあんま呼ばないのバラしてたりして。
何気に田端はそれをどう感じたのか気になってしまう。
だって俺は本当に特別な奴しか家に呼ばない。田端はそれを分かってくれてる?大方分かってはないだろう。
俺が座ってたベッドから動いて田端の前に移動しても相変わらずボーッとしてるから声かけたらめちゃくちゃ驚いてた。何をそんなに考えてたの?
「よし!勉強とっとと始めようぜ‼︎俺がこんなにやる気出してんの珍しいんだからな?」
「た、確かに…」
「そこ、肯定しちゃう?」
「ご、ごめん‼︎」
「はは!別にいーけど」
慌てて謝る田端に大丈夫だと笑いかける。
「お前スゲェな」
田端って本当頭いい。
「え、ぜ、全然そんな事ないよ…っ」
首を振って謙遜する田端。
「とーるちゃんの教え方がどうこうとかじゃないけどさ、きっと普通の人には分かるんだろうけど、俺にはこんくらい噛み砕いてくれないと分かんねえわ」
なんにせよ教え方がめちゃくちゃ上手い。文章をどうやって読み進めてくか、とか、こういう問題にはこう答えろ、とか。すべてのポイント見たいのを丁寧に丁寧に教えてくれた。
「まじ、田端センセー様々だよなぁ」
「先生だなんて、そんな…」
顔を赤くして否定する田端が可愛くて更に弄りたくなってしまう。
「テスト終わるまで田端の事先生って呼ぼうかな」
「そ、そんな…っ」
あうあうオロオロしてて面白い。
「まあ、冗談だけど!」
「……っ」
ホッとしたような困ったような顔をする。
田端ってなんとなく加虐心を煽る反応見せるからついついいじめたくなってしまう。
「今日は…ここまでに…する?」
「お!もう1時間経ってんの?そーだな、田端帰るの遅くなるし」
「俺は、別に大丈夫だけど…か、川崎君が、…疲れちゃうかな、って思って…」
「うん、それもある」
実際勉強に関して俺の集中力は1時間が限界。スポーツとか遊びならいくらでも持つのに。
田端が気遣ってくれたわけだ。
「ごめんな…俺そんな疲れた顔してた?」
「や、……その…」
してたのか。
「ん、終わりにしよー!んで、駅まで送るよ」
「それは…いいよ、悪いよ!」
「やだー、俺が送りたいんだもんー。いーっしょ?」
「……」
困りつつもコクンと頷いてくれて一安心。
田端と一緒なら勉強してる時間なんてあっという間だな。
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