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にじゅうなな
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それから週一で田端との勉強会が行われた。
その都度その都度、田端は懇切丁寧に教えてくれてもはや授業料取ってくれてもいいくらいの完璧な家庭教師をしてくれた。
んで、今日はテスト前最後の勉強会。
今日も楽しくお勉強しましょう〜
って、ワケにもいかなくて。
だってそもそものこの勉強会は俺が田端とお近付きになる為のものだから。
今まで本当に本当にただの勉強会って感じだったから。本来の目的は半分も成し遂げてないわけ。そりゃ現文の成績上げたいのもあるけど問題はそこじゃなくて俺と田端の親密度を上げるほうが優先なわけですよ。マジで下心ありまくりだから田端には申し訳なさを感じない訳ではない。だってきっと真面目に俺の手伝いしてくれてんだもん。
普段の俺ならここで甘い言葉の一つや二つ投げかけて近付いて、ってのを女の子にしてるんだけど、如何せん相手は田端だ。俺に勉強を教えに来てくれてるって善意を無下にしたくないし単純に田端に引かれたくない。
「飲みもん取ってくるわ」
「あ、うん…」
今日はテスト前最後の、ってことでいつもより長めに勉強してる。
休憩時間取ろうって事になって俺がキッチンに向かう。
で、今日もまた姉貴が家にいるんだよなぁ。
「旭、今日もお勉強会なの〜?ちゃんと捗ってる…?」
「俺めっちゃ成長してるから」
「ほんとに〜?田端君もいい子ねぇ…それに可愛いし女の子みたいね」
姉貴の言葉にドキッとする。なんか色々見透かされてそうで。この人天然なくせに変な所鋭いから怖い。
「はい、お菓子も用意しといたけど…」
「さんきゅー」
若干そわつく心臓を落ち着かせて2階の部屋に戻る。
「お待たせー!」
「…っ‼︎あ、な、なんかごめん…毎回…」
「いーのいーの!」
思いっきり部屋のドアを開けたからかびくつく田端。
「それに…もうそろそろお暇しようかな、って」
「え!まじ?!」
「あ、や、…ある程度俺が教えられる所終わったし…」
「俺まだバリバリやるつもりで休憩時間にしちゃったんだけど」
「でも、川崎君…すごい出来るようになったから…俺もう、用無しなんじゃ…」
田端が帰ってしまう。つーか、用無しなわけないし‼︎勉強よりもお前がメインなの‼︎
なんて言えねぇけど、とりあえず田端が帰りたがってる。
帰す?
無理、やだ。
「なぁ、待って」
「っ、…え?」
勉強道具を片付けようとしてる田端の腕を掴む。
「今日…泊まってよ」
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