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にじゅうきゅう
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高岡には、まさか泊まりまではしないよな?的なこと言われたけど気付いたら田端を泊まるように誘ってた。
だって…このまま勉強会終わったらちゃんと話す事もなくなると思って。
せっかくのチャンスを逃すわけにもいかない。田端ともっと仲良くなってやるんだ、って意気込んでる自分がいる。それで家に泊める、ってぶっ飛んでる?でも、そうでもしないとこいつと話せない。タダでさえ言葉数少ない田端だから俺が強引にいかないと反応してくれないんじゃないかなとすら思う。
夕飯も勿論俺んちで食ってるわけだけど、田端は終始、姉貴と良子の可愛い可愛い攻撃に戸惑ってた。本当は俺だって面と向かって可愛いって言いたいっつーの‼︎
言われるたびにあうあう顔を赤くしながら否定する姿をボーッと見てたら親父に箸止まってるけどどーした、なんて言われるもんだからドキッとしてすぐにご飯かき込んだ。
んで、今は夕飯終わってまた俺の部屋に戻って来たとこなんだけど、
「か、川崎君…勉強、どうする?」
「あ、ごめん!待って!この後見たいやつやるから1時間後に絶対やるから!」
「ふふ…分かった」
ちょうど見たい番組始まっちゃうとこで、部屋にあるテレビをつける。田端はと言うと鞄から本を取り出してぺらりぺらりとめくっている。
「……うるさくない?集中できる?」
「……?…あ、大丈夫だよ!」
俺がリモコンを取って聞けば、田端は首を掲げた後に首を横に振った。こんな騒がしいバラエティ番組やってる中で本なんて読めんのかなぁ。
「くぁあ……」
飯食ってテレビ見て、んで勉強始めるとなればそりゃ眠くもなりますわ……。
勝手に出てくるあくびを噛み締めしながらシャープペンを握るが、どうしても頭がふらついてしまう。
「ん、……」
「えっと……終わりにしよっか」
「…え?なんで?」
「川崎君凄い眠そう…」
「あー、ごめん……頑張る…」
そうは言うものの正直やってること全く頭に入ってないし。
「ん、いいよいいよ。終わりにしよ?…眠い時にやっても、覚えらんないでしょ?…それに、川崎君もう殆どできてるから大丈夫」
ニコッと笑って教科書と参考書を閉じる田端。
「ん、ごめん、……でも、それじゃお前泊まらせたのに、意味ないっつーか…」
「あ、…そ、そうだねっ…えっと、あ、まだ電車ある時間だし、か、帰ろっかな!」
何を勘違いしたのか慌てて荷物を纏めだす。
「違うって‼︎…あー、なんだ…その、勉強終わったからお前帰れるけど……このまま泊まってくれる?」
「………っ、うん…」
きょとんとしてから、一気に耳まで赤くなる田端に胸のきゅんきゅんがおさまんないんだけど……。
こいつどういう気持ちでこんな顔してんの?それも気になってなおさら胸の鼓動が早くなった。
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