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三十五
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「…………」
ゆっくり瞼を開ければまだ部屋は真っ暗で真夜中だとわかる。
体をのそのそ起こしてスマホの画面を見ればまだ夜中の2時半だった。知らない間に寝ていたらしく、改めて起きた時にここは自分の部屋ではなく川崎君の部屋だということに頭が少しずつ覚醒していく。と同時に自覚もしていく。それでも半分寝ぼけているせいか、寝る前までのドキドキ感は薄らいでいる。半分は受け入れてしまってるのかもしれない。
とりあえず、喉が渇いたせいか意図せぬ目覚め。コンビニで買ってきた水を冷蔵庫に入れさせて貰ってるから喉を潤そうと部屋を出て一階に向かう。
キッチンに向かうまでに1度リビングを通るのだけど…
「……川崎君…」
廊下の電気と部屋の電気は間接照明でほんのり明るくなっていてソファで寝てる川崎君の姿ははっきりわかる。
「…寝にくそう……」
膝は少し曲がってるし枕代わりのクッションも寝にくそうだった。
俺が川崎君のベッド占拠しちゃってるせいなんだよね…。しゅん、となりつつキッチンにお邪魔して水を取り出す。
カラカラだった喉に潤いが戻る。
チラッと川崎君を見れば、
「んー……ん、…」
もぞもぞと寝返り(?)うってるんだけど、やっぱり寝にくそうで…。
俺と寝る場所変わる?って言った方がいいのかな…でもわざわざシーツまで変えてくれたんだし…。それに今更起こすわけにもいかない…。でも…。
「川崎君……」
ソファに近付いて寝ている川崎君の肩を控え目に揺らす。
「ん、………た、ばた?」
「ご、ごめんね…起こしちゃって…」
「んん、……や、大丈夫…」
ゆっくりと目を開いて俺の顔を捉える川崎君の瞳にどきりとしてしまう。
目をこすりながら身体を起こすと俺に向き直ってくれる。
色々な思いが頭の中を駆け巡って、
きっと半分寝ぼけてるのもあるんだと思う。というか、そういう事にしておきたい…。
だって俺がこんな事言うなんて、
「も、もしよかったらなんだけど…い、一緒に、寝ない…?」
「…………え?」
きょとん、とした川崎君の目と自分の目がバッチリ合う。
「え、…それは…」
「あっ、…その、俺喉渇いて、目が覚めちゃってそれで、ごめんね、勝手に冷蔵庫開けちゃって…あ、でね、川崎君凄い寝にくそうだったから、えっと…」
自分が言い出したことがとんでもないことだと徐々に理解してきて熱が顔に集まる。薄暗いせいか赤くなってるのは見えないだろうけど、言ってることもどんどん訳わかんなくなってくるし…。
「ご、ごめん…っ!変なこと言って、そのっ、やっぱ寝る場所変わっ…」
「いいの?」
「っ、…」
ジッと川崎君に見つめられて心臓が音を立てる。
「あ、その……」
「田端がいいなら…ベッド…一緒に寝ていい?」
言い出したのは俺なのに…
「うん……」
目線を合わせられないまま小さく頷いた。
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