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La traviata
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僕は初恋を知らない。
おじ様だったのか、兄だったのか、誰だったのか知らない。
いや、恋なんてしてないのかもしれない。
暗い藪の中に無残に首からとれて一面に広がる散り椿。
僕の罪行のようだ。
それとも無数の僕の首なのか。
ヴェルディの椿姫の序曲が流れていた。
白い椿を胸に飾った、高級娼婦。
月に五日だけ赤い椿を胸につける。
僕は男だけど月に五日、血を流す。
心の血を。
あとは封印するのだ。
僕の気持ちを。
(music : Verdi「椿姫 」序曲)
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