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疑い2
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「あんたって…ホモ…だよな?」
小さな声で聞くと、栗橋はごほっとむせた
「直接的すぎで、びっくりした。
うーん、男しか好きにはならないけど」
ほら、やっぱり
じゃなきゃあんな光景見て、売りとか思わねーもん
「気持ち悪い?」
首を傾げて、ニヤリと笑われる。
大人の余裕
気持ち、悪い…か
確かに今までの奴はキモくてキモくて
しょうがなかった。
でも、こうやって笑って話して貰えると
普通の人なんだなって思ったり?
いや、でもこいつ変な奴だし
「気持ち悪い。」
「気持ち悪いのに、体を売ってるの?」
うぐっ
そうだけど。
なんで?とでもいうような顔
まぁ、いいか。
別に今日で会うこともないし
「大学に行きたいんだよね。」
「は?」
ほら、お前みたいな普通の人生の奴に
わかるもんか
「俺の両親、離婚してて。親父は…まぁ、金を出してはくれないから」
どう出る?
同情?憐れみ?それとも拒絶?
「でも、大学行きたいんだ?」
「悪いかよっ!」
「いいな、お前」
意外な言葉に戸惑う
優しい視線
穏やかな雰囲気
なんでも、許してくれそうな…人
「そうやって、反発して。自分の考えで動いてる奴っていいよ。偉いな、春斗」
心臓が、飛び出すかと思った。
同情、憐れみ、拒絶
全部、味わってきた。
「偉いよ、春斗は」
褒められるなんて…思ってもみなかった。
「俺、売りしてるんだけど?」
「手段を選ばないのは、それだけ必死なんだなぁと思うよ。」
怒るとか、蔑むとか知らないの、こいつ
「ただ、やり方は一つじゃないだろ?
もっと自分を大切にする方法で金を稼げ」
一方的に怒れば、俺が反発するのを分かってるみたいだった。
優しく、諭すように、否定せず
「そんな、方法…ない」
ないよ。そんなの…
つい、本音を漏らすと、栗橋は笑った
「あるよ。春斗が不器用なだけ。」
「不器用?」
俺は器用な方だと思うけど
「そして、鈍感」
なんだ、こいつ!!
腹立つ!
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