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変な奴5
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「あのさ、なんで怒らねーの?」
「?何が?」
「我儘言っても、無遠慮ことしても、なんで怒らねーの?」
仁は腹を抱えて笑い始める
「怒られたいなんて、お前、変な奴〜」
「ちっ、がう!!俺は別に…」
「もしかしてこのレストランの事?」
「うっ。」
図星。
全部見抜かれてんのか?
「なぁ、飯、うまかった?」
確かに、飯は美味かった
自分一人じゃ食べられない料理だったし、料金だったし。
「うん。」
「なら、いいじゃん。飯はうまいもんの方が楽しいだろ?」
「そうだけど!!でもさ、仁ってみんなにそうなのか?我儘言っても、振り回されても、文句一つ言わねーとか、都合のいい奴になるよ?」
そう言うと、仁は悲しそうに顔を歪めた
あれ?今のがダメなの?
「あ、その…俺…」
「分かってるよ。俺、いい奴止まりだから」
寂しそうに言われて、なんと返したらいいかわからない。
でも、こんな顔させてしまった自分はやっぱり最低だ。
「違うんだ!俺みたいな性格が悪い奴にも優しくすると、ろくな事ないって言いたかったんだ!」
優しさにつけこんで、利用する。
それが俺だから
「自分で言うか、それ」
くくっと笑われる
本当に仁はよく笑う
「…笑うなよ。俺は…仁みたいな人…」
「春斗?」
本当は仁みたいな人が、1番怖い。
優しい人がいるのに、俺はこんなにも醜いと感じてしまうから。
「春斗?どうした?」
そんな事、言ったってどうしようもない。
俺は。
汚くて、醜い
「行こう!仁!」
どうせ、今日だけ。
こんなに優しくしてくれるのも、夜まで
夜になって肌を見せれば、また痛くて気持ち悪い行為が始まる。
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