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仁の実家
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仁の家は大きな駅から、かなり近くて
「うち、居酒屋?飲み屋?なんとも言えないんだけど夜10時から開いて、朝5時までやってんだ。」
赤い暖簾に、居酒屋仁と書いてあって
「仁の名前って…」
「あぁ、あれについては突っ込まないでくれ。俺だって恥ずかしいから」
嫌そうに言う仁に、つい、笑ってしまう
「あ、笑った。」
笑った事くらいで、嬉しそうにされる
調子、狂うよ…全く
「行こう」
ガラリと引き戸を開けると
「「おっかえりぃ!じんにぃ!!!」」
小さな2つの影が、仁に飛びつく
「おっ!今日も元気だなぁ」
店内は狭くて、ちょっと汚い
けど、満席でぎっしりと男も女も
若いのも老人も
たくさんの人で埋まっていて
「おいっ!仁太っ!飲むの付き合えっ!」
赤ら顔のおじさんが、仁の首に手を回して肩を組む
「ちょ、ちょっと斎藤さん!昨日も飲んでて」
「こら、仁太手伝え!」
厨房から覗く、体の大きな男の人は、仁と同じ顔してる
「あらあら。仁ったら可愛い子を連れて。彼氏?」
柔和な表情の小柄の女の人
着物を着てる姿は、かなり美人だ。
「違うからっ!」
「じんちゃん!かれしぃ?」
「わぁー!仁だぁ!」
次から次へと声をかけてくる人達
仁がどれだけ好かれているか、よくわかるな
「悪いな…このチビが1番下の双子。おら、自己紹介!」
小さな、男の子
まだ3歳くらいかな?
確かに二人ともそっくりで、仁にも似てる
片方が手を挙げる
「ぼく、ゆうちゃん!!」
もう片方も手を挙げる
「ぼく、りゅうちゃん!!」
か、可愛いな
純粋な子供って苦手なんだけど
でも、無邪気な笑顔は物凄く可愛い
「優太と、龍太な。で、厨房が父さんの善太。母さんの雪菜。」
「えっ!お母さん?にしては…若くない?」
さっきの美人の人が、仁のお母さん!?
「いい子ねー!」
くすくすと口を押さえながら、笑う
「あの人、もう50だからな」
嘘だ…
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