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佐知 和樹
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運転手は仁
助手席に俺が乗る…筈だったのに
「ほら、お前の好きなお菓子」
「いらねーよっ!!」
佐知に無理矢理、後部座席に乗せられる
仁の隣に行きたかったのに
2人きりで話したかったのに
学校のこととか
最近できるようになった料理のこととか
居酒屋で楽しい事とか
たくさん、話したい事あったし
それで仁に褒めてもらえると思ってたのに
「おらっ!」
「む!」
口にポテチを放り込まれる。
ジトッと睨みつけて抗議しても、佐知は笑うばかり
「仲いいのなぁ。いいことだ!」
仁の呑気やろう!
なんで、そんな余裕なんだよ!
「栗橋さんって、ショタコンなんすか?」
佐知の突然の言葉にギョッとする
でも、仁は笑って
「いやー、それはないなぁ」
何を言うんだよ
こいつ!!
「佐知、お前…!」
「良かったっすー。ほら、春斗って見た目は可愛い感じの顔でしょ?昔から、そういう趣味の奴に声かけられる事、多かったのでー」
何言ってんだよ!?
確かに、変な奴は多かった
多かったけど、仁に言わないでくれよ
恥ずかしい事だろ!!
「確かに、可愛いよな。でも顔だけじゃなくて、性格も可愛いよ。真面目だし、まっすぐだし、一生懸命だしな」
「可愛い…」
可愛い…可愛い…
何度も自分の中で反芻する
男に可愛い、なんて嫌だ…けど
仁に言われると、悪い気がしない
「そ、そう、かなぁ」
悪い気というか…むしろ、嬉しい
つい頬が綻ぶのを、手で隠す
「ふーん」
佐知が睨んでくる
「な、なんだよ!」
「…むかつく」
佐知は不機嫌
俺は上機嫌
仁の一言だけで、俺の機嫌はすぐ変わっちゃう
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