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佐知 和樹2
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「あっ、俺、サービスエリアよりたいです」
佐知はふてぶてしくいった
嫌な感じ
いつもは軽くていい奴なのに…
「いいよ。寄ろうか」
仁は、本当に大人だよな
怒らないし
怒ったのを見たのは、前の川島の件の時だけだ
怖かった
ちょー怖かった
けど、あれは心配してくれたから怒ってたんだ
そう気がつくと
こんな俺を褒めたり、心配してくれる、仁の事が気になって
気になって…しまって
背中を目で追って
目があうと逸らして
また背中を目で追う
何してるのか、気になってしまう
「春斗。いこーぜ」
「もう着いたのっ!?」
仁の事ばかり考えてた
なんで、こんなに仁の事考えるんだろう
気になるんだろう
「おら、春斗行くぞっ!!」
「ちょっと、佐知!?」
佐知に無理矢理、車から引きずり出されて
手を引っ張られる
「まだ、仁が車にいるのに、待たないなんてひどくね!?」
抵抗してもズルズルと連れてかれる
車に仁だけを残してくなんて!
「…別にいいじゃん。俺たちは餓鬼だし?あの人は相手にもしてねーよ」
相手にしない
確かに、10も歳が離れてばそうかもしれない
相手にしてくれないのか?
そう思うと、ズキズキと胸が痛くて
一人で、置きざりにされたみたいに寂しい
「でも、お前、失礼だろ?勝手についてきて、その態度はなんだよっ!」
腹たって言い返せば、佐知は少し寂しそうに顔を歪めた。
なんだよ、俺、悪くねーしっ!
「鈍感。」
「はぁ?なに…」
その時、コツンと頭が叩かれて
仁がソフトクリーム二個を持ってきてくれていた。
「仁?」
「ほら、喧嘩しないで、食べろ」
手渡されて、頬張れば甘い優しい味が口に広がる
「はい、佐知くんは?」
佐知は仁を睨んだ後、素直に受け取った。
仁が大人で良かった
そう思うけど
これって子供扱いされてんだよな
嫌だな
子供扱いされてるのが、嫌で仕方ない
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