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育つ芽、青い花
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佐知の言いたいことが、わからない
でも、そのわからないことのせいで
佐知は苦しんでる気がした。
俺のなにがダメなんだ?
自分の気持ちにも、人の気持ちにも鈍感
ってどういうこと?
さっきのチューリップ畑まで戻ってきたけど
そこに仁の姿はない
「どこいったんだろ」
仁がいない。
きょろきょろ見渡して、探すけどいない
いない。
仁がいないと…寂しい
少し、早足になって奥へ進む
「あっ。」
少し丘になってる所、一面に
「青い…花」
正確には、水色?瑠璃色?
目で捉えられる映像全てが、青色に染まる
「綺麗だろ。」
仁の声がして、ほっと胸をなでおろす。
振り向けば仁が笑ってる。
いつもの、笑顔で
「佐知くんは?」
「頭冷やすって…」
「そうか…」
そう言って仁はしゃがみこんで、花を優しく撫でた
「ネモフィラって言うんだよ。綺麗だよなぁ、こんだけ咲いてれば…」
「…うん。」
愛おしそうに、でも悲しそうなのは、なんで?
「…蒼さんを、思い出してるの?」
仁は蒼さんが、好き?
でも、蒼さんはそばにいないのに
こんな、些細な事で思い出すくらい
好きなの?
俺の方が、そばにいるのに
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