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青い花、君のことby栗橋
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春斗がいない間に、俺は見たかった花を見に来た
青い花
中心が白く、外は瑠璃色
小さいのにたくさん咲いて、一面を青く青く
染めていく。
青色は好きだ
落ち着くし、鎮まるし
青か…
女々しいと分かってる。
自分でも忘れたいのに思い出すのは、彼のことだけだ。
忘れたいのに、忘れられない
頭にこびりつく、あの人の笑顔
ふと顔をあげれば、近くに春斗がいた。
この花に魅せられてるのか、春斗は惚けた表情のままだった。
春斗は花が似合うな
春斗はあっさりとした綺麗な顔立ち
笑うと可愛い。
派手な花より、大人しく静かに咲くネモフィラは似合うと思う
「綺麗だろ。」
そう言うと、春斗はうなづいたあと返事を返してきた。
佐知くんの事を聞く。
いろいろ誤解させたかな?
隣に男がいれば不安になるだろう
その気持ちは、痛いほど分かる。
俺も、そうだったから
ずっと好きで
でも、振り向いてもらえないと諦めていたら突然出てきた人に攫われた。
しゃがみこんで花をよく見ると、ますます自分のアホさにうんざりしてくる。
「蒼さんの事を考えてるの?」
そうだ
でも、もう考えたくない
「春斗は男同士ってどう思う?」
「どうって…」
瞳が迷うように彷徨って
「わかんない。」
そりゃそうか。
春斗は男同士の関係に拒絶反応がある。
多分それは、無理矢理された事への恐怖心でもあるのだろう。
…春斗は時に全てを諦めてるように見える
父親から離れられたというのに、未来がないように空虚な顔をする瞬間がある。
だから、春斗の夢を聞いた。
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