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傷2by栗橋
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シャワー音がしない
「春斗?どうかしたのか?」
ドア越しに声をかけると、びくりと影が震えた
「だ、大丈夫!ごめん、考え事…」
良かった。
何かあったのかと、思った。
「…いっ!!!」
何かに耐えてる声が聞こえて
血の気が引いていく
「あけるぞ」
「ま、待って!!だ、大丈夫!」
問答無用でガラリと開けると、細い体が湯気に包まれて見える。
ゆっくりと見えてきた体に
細いミミズ腫れがたくさんできて
そこから血が滲んでいた
「あ、え、えっと…もう、でるよ?」
手に赤く染まるスポンジ。
どんだけ、強く擦ったんだ?
「ばかっ!何してんだ!」
腕を掴めば、その腕も真っ赤に腫れていて
「何回、洗っても…綺麗にならなくて」
「だからって、こんなになるまで…」
全身を見れば、どこもかしこも真っ赤で
「なんで、こんなこと…」
自分を汚いと、思ってるのか?
何度、汚くないと伝えても
父親に抱かれた記憶が、春斗に刻み込まれてる。
「あー…あの、仁は綺麗なのが好きだろ?」
もしかして
さっき…あんな風に言ったのを歪曲してんのか?
「さっき俺が言った事は…」
「い、いいんだ!分かってる。今更落ち込んでるわけじゃねーよ。
でもさ、綺麗じゃなきゃ…好きになってもらえない」
「だからって…」
春斗は諦めたような顔をする
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