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負けたくない3
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台所に来て、ケーキを取り出す。
あんな風に、言うつもりじゃなかった
蒼さんが、悪い訳じゃない
どちらかというと、俺に対してかなり気を使ってくれてた。
すぐに帰る
その言葉はきっと本当だったんだ。
なのに俺が引き止めて
それでイライラしてる
俺、本当に子供だな
お誕生日おめでとう、仁
って書いてあるチョコレートプレートを見て
ますます惨めになった
「恥かしいだろうな…」
こんなの、見られたくないだろう
「ひぇ〜っ。かわいな、これ」
「つ、鶴瀬さんっ!?」
笑って、そのチョコレートをつまみ上げる
この人、悪い人じゃないけど
なんか、苦手…
「というかさ。もしかして…いや。」
「なんですか?」
鶴瀬さんは言いづらそうにしてるのを見て
なんか、またイライラしてくる
「いや、栗橋って〜〜…昔、ホモなんじゃないかーって、言われてたらしいけど…」
ちらりと、横を見られる
どくりと、心臓がなる
「いや、噂ね!噂!てっきり君が彼氏なのかなぁって、思ってさー!な、訳ないよな!」
ケラケラと笑ってるけど
この人、意外と鋭い?
「もし…」
意地悪な気持ちが、育ってく
ここで明かしたら、仁はどうするんだろ
少なくとも、蒼さんに自分の存在を伝えられる…
「もし…」
言っちゃダメだ
こんな事したら、仁に嫌われちゃう
仁に嫌われたくない
でも、
蒼さんに、俺は仁の恋人なんだって言いたい
ムクムクと欲望ばっかりが育つ
「えっと…もし…君が…」
困惑と、疑念の顔
「もし俺が、仁の彼氏だったら…どうします?」
危険信号を感じながら
俺は口を滑らせた
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