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信じる4
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慌てて、家を出る
家を出て、駅まで走る間
好きじゃない
って言葉が頭の中で反芻した。
「違う…」
同情して、遊びで、付き合ってくれた
仕方なく、付き合ってくれた
「違うって!」
首を左右にふる
そんなわけないよ。
違う
なら、どうしてお前にキスしようとしないの?
もう一人の自分が囁いた
なら、どうしてお前を抱きしめないの?
どうして、蒼さん達といると楽しそうで
お前といると、困ったり怒った顔をする?
「ーっ!!」
嫌だ、信じたくない
信じない
分かってるくせに
違う、お願い
違うって言って、仁
「っはぁっ、はぁ…」
ようやく、2人の背中が見えて
違うって言ってもらえれば
俺は大丈夫
また頑張れるから。
だから…お願い
「じ、仁!」
駆け込んで行こうとすれば、
仁が…蒼さんと、キスしてるみたいに
抱き合ってた
「どうして?」
俺にはしてくれないのに
「なんで?」
蒼さんには、するの?
どうして
蒼さんは、俺から仁を奪うの。
奪わないで
仁がいなくなったら…俺には誰も
誰も、いない。
こんなに辛いのも、悲しいのも
全部
蒼さんの、せいだ。
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