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本当の優しさ3by栗橋
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誕生日パーティーが少し落ち着いた頃合いで
俺は中庭に出る
小雨は上がって
太陽が雲から覗いてる
母さんが、手摺に寄りかかって立っていた
「仁太…春斗くんに、分かっちゃったの?」
さすが、お見通しか
「うん。同情だ、遊びだったのかって…。今は友達の家にいるみたい」
「そう…出て行ってしまったの…」
寂しそうに、母さんは言った
「…結局、俺は春斗を傷つけただけで、付き合うなんて、意味なかったよな…」
俺は、春斗に自信をつけさせるつもりが
逆に自信を無くさせた
なんの意味のない事をした。
あんな風に、自信を無くさせる位なら
いっそ…
「付き合わなければ、良かったのかな?」
「仁太…」
母さんの気遣う手が頬を撫でた。
でも、その時…
「どういうことっ!!!」
ツカツカと瀬奈が歩いてきて
胸倉を掴まれる
「同情ってなに!?遊びって!?付き合う意味がないってどういうことよっ!!」
あまりの剣幕に、俺も母さんも怯む
瀬奈は怒鳴ったり、しない奴だから
「せ、な、落ち着け」
「様子がおかしいって思って見に来てみれば、2人して何のこと話してるの!?
春斗君はどこいったの!?」
前後に勢いよく振られる
それだけ、怒ってるって事か…
「な、なんだぁ!?」
奏太と父さんも何事かと顔を出す
優と龍は、いつもと違う様子に泣きそうだった。
「お、ちつけ…話すからっ!」
「瀬奈っ!」
母さんが言うと、瀬奈はゆっくり手を離した
「全部、話しなさいよ…!場合によったら、絶対に許さないっ!」
睨みつけられて
瀬奈がこんなに怒るのは、初めて見た
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