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本当の優しさ5by栗橋
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瀬奈は、ぐっと息を詰まらせた
でも
「生きてれば、辛い事なんてたくさんある。
それを経験して、自分を作っていくんじゃないの?
乗り越えられたって、自信になるんじゃないの?」
辛いことから、遠ざけることが優しさじゃない
そう言われた気がした。
「まだ分からない?本当に優しくしたいなら、厳しくしてあげて!周りを囲って、守るだけが優しさじゃないんだよ。」
「…き、厳しくなんて、出来ねぇよ…」
「喧嘩してもいい、すれ違ったっていいんだよ。2人でお互いを見つめあえば、もっと…分かることあるじゃない。優しさで遠ざけてたら、一生…見えないままだよ。」
瀬奈は本当に俺たちを思ってくれてる
熱く、熱く伝わってくる
「仁にぃ、偏見なんか負けないで。
春斗君と一緒に乗り越えようよ。
私達だって、協力するから。
じ、仁にぃと、春斗君は、私のお兄ちゃんで、弟なんだからっ…」
「瀬奈…」
泣き始めた瀬奈を抱きしめる
「ごめんな、ごめん」
「謝る、相手が…違うっ」
「…そうだな。」
本当の優しさってなんだ?
その人のために、辛い思いをさせないこと?
傷つけたくないから、喧嘩せず、意見も言わないで
その場だけ納めること?
違う
ぶつかっても、すれ違っても
考え方を知って
理解しようとすること
瀬奈みたいに、好きだからこそ、悪い所を指摘してくれるのだって、一つの優しさだ
嫌なことから目を背けずに、立ち向かわせる
こと
それが
本当の、優しさ…なのか?
俺が、本当に春斗にしてやれること
それは…なに?
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