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隠れた気持ち2by栗橋
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「で?どうするのさ」
「へ?」
蒼先輩は、ちらりと俺を見る
「あの子のこと。上手く仲直りできて無いだろ?…俺のせいでもあるし」
「いや!あれは…俺のせいですから。」
俺が、はっきりしなかったから
「…春斗は、今まで、凄く辛い思いをしてたんです。目も耳も塞ぎたくなるような、酷いことされて」
蒼先輩は何も言わずに聞いてくれる
「それなのに、頑張り屋だし、感情が顔に出やすいけど、優しい気遣い屋ですし。」
「…へぇ。」
「さ、最初は確かに、同情で付き合ってたと思います。
この子は愛されたことが無い、だから愛してあげなきゃダメだ。そんな義務感でした。
それにまだ高校生。別に一時の気の迷いかなって…」
そう、でも
「可愛いんですよ、あいつ。俺のこと、本当に好きで。」
まっすぐ、突き刺さってくる愛情
向けられる好意
心配で、危なかっしくて、可愛い
「…そこまで思ってて、なんであぁなる?」
「好きになったら、今度は怖くなったんです。若い子供の未来を、俺は…潰せない」
「男同士だから?」
「…はい。」
蒼先輩はため息を大きくついた。
「俺が…良くても。春斗は幸せなんかじゃないかもしれない。偏見にあって傷ついて嫌になるかもって思うんです」
「それは、栗橋が決めることじゃない気がするけど…」
うーん
と蒼先輩は唸った。
「俺、昔、好きな人に言われてたんです。
『お前とは、男同士だし、未来が見えない』って…。
それに、知ってるでしょ?何年か前に俺のゲイ疑惑が流れた時の会社の人の様子を」
コソコソと繰り返される陰口
ちょっとした嫌がらせ
そして、反応のない奴ほど逆に腹立った
自分は関係ない
そんな風に思ってるみたいで
「蒼先輩、男同士でも幸せになれます。
でも…周りはそうは思わない。
『気持ち悪い連中』そう判断するんです。」
蒼先輩は、寂しそうに俯いた。
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