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隠れた気持ち3by栗橋
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「男同士でも…俺は幸せになれるし、幸せに見えると思うけどな」
指輪を触りながら言う
並木さんを思い出してるんだ。
「それは、蒼先輩が大人だからです。自分の意思と覚悟を持って、並木さんと一緒にいるからです」
「春斗くんは違うの?」
それは、なんとも言えなかった
「あのさ別に俺は強い覚悟も意思もないよ。
だけど、幸せだなぁって思うのは、拓真が一緒だからだよ。一緒に乗り越えていこうって思えたからなんだよ」
「先輩?」
小さく微笑まれて
穏やかに蒼先輩は続けた
「なぁ、お前の求める幸せって何?
春斗くんが普通に生活すること?
周りから見て幸せそうに、見えること?
栗橋の幸せってなに?」
自分の幸せ…?
そんな事、考えたこと、なかった。
「栗橋が、本当に欲しいものってなんなの?
もし、我慢してるなら…それは多分、間違ってるよ。」
「我慢?」
我慢、している?
俺が?
「周りから見て、幸せであるかなんてお前に分かるの?周りが幸せに思う事が、栗橋の幸せなのか?その為ならお前はどんな奴とも付き合えるのか?」
「それ、は…」
「俺は嫌だよ。拓真がいない人生なんて考えられない。自分が幸せで在りたいから、俺は周りが何と言っても、拓真しか嫌だ。」
なら、俺は?
俺は…何がしたい?
「性別も、偏見も、春斗くんの将来も。
全部、取り外したら、お前には何が残る?」
余計なことを考えないで
ありのままに、見つめてみたら
俺に、何が残るのだろう
男同士の偏見
年の差
将来
あれ?
なんだ、単純だ
残る気持ちはたった一つじゃないか
「春斗が、好きです」
一緒にいたい
もっと笑わせて、幸せだと、感じさせたい
幸せだと、感じたい
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