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立ち向かえ
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階段を降りていくと
父さんが帰宅した
「あぁ、春。お出迎えとは偉い子だ。」
手を伸ばされて
その手を払う
睨みつければ、父さんは怯んだ
「なんだ?何かあったのか?」
「父さんに聞きたい。母さんは本当に俺を嫌いだったの?」
「…そう言ったよな?」
鵜呑みにしてた俺は、バカだ
「母さんは、俺に優しかったよ。あの時、置いてかれたけど、…強く、抱きしめてくれた」
覚えてる
震えた、小さな肩
ごめんねと、詰まる声
気持ちは、詰まってた
「…何が言いたい」
言え
怖くても、手が震えても
助けを待ってるだけじゃ
何も始まらないから
「母さんは、父さんが嫌になって出て行ったんだ。俺は、あんたが…浮気してるの知ってたからな」
「なっ!?」
ハッタリだった
知ってるはずないけど
夜になると泣いていた母さんの姿は知ってたから
この人を、俺はちゃんと知らなきゃダメなんだ
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