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立ち向かえ3
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「っはぁ…は、」
「と、うさ…」
父さんは、動きを止めると
俺のズボンに手をかける
「ま、まって!ダメだっ!!」
抵抗しても、力が強い
「壊して、やる!!壊して、2度と口を聞けないようにっ…」
「っぅっ!!」
指が腫れ上がったそこに触れる
痛い!
痛い、けど…
もう、このまま立ち止まりたくない
「と、父さん…お、ねがい」
「お前は、言うことを聞けばいい。俺の言う通りに、はいと、言えばいい!」
あぁ…もう、この人はダメなんだ
何を言っても
この人は、変われなくなってしまったんだ
なんて…可哀想なんだ
進むことも、戻ることも、できないんだ。
俺は、こうなれない
傷つくことを恐れて、辛いことから避けてしまったら
自分を変えようとすることさえ出来ない
俺は、もっと成長したい
仁の隣にいたいから
仁を守りたいから
「…父さん、ごめんね。俺はここに縛られたくないんだ。」
熱の塊が触れる感触がした。
でも俺、落ち着いてる
だって、分かってるから
きっと、居る。
俺を待っててくれてるから
誰よりも、信じたいと思ってるから。
「仁!!!仁!!!」
叫んだ
出せる精一杯で、君の名前を。
「な、何を…あいつがいるわけ…」
「仁っ!!!助けてっ!!!助けてっ!!」
「だ、黙れっ!!だま…」
口を塞がれそうになった時
父さんが壁にぶつかる音がした
ほらね
やっぱり
あれから、何時間…外にいたの?
「春斗」
暖かい温もりが、優しく包んでくれた
「うん。ごめんね、待たせたよね?」
額にキスが落とされる
あったかい
優しい、キス
「もっと早く呼んでくれよ…」
頬を撫でる
「へへ。1人でも、頑張りたかったんだよ」
「偉いな、春斗。偉い…」
「仁、帰りたい。」
「あぁ」
「仁の、そばに帰ってもいいですか?」
「あぁ…帰っておいで。」
クスリと2人で笑いあった。
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