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望むこと3
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「春斗?」
部屋のドアが開いて
仁が顔を出した
「仁っ!!」
夢じゃないのを確かめたい
手を伸ばすと、仁は抱き上げてくれた
あったかい
夢じゃ、ない
「どうした?寝てないとダメだろ」
「だって…いないから」
「熱冷ましのシートとか、飯の材料とか買いに行ってたんだよ。」
確かに手にはスーパーのロゴが付いたビニール袋がある
「行く時は、俺も行くからっ!」
「なんで病人が行くんだよ」
仁は笑うけど、俺には死活問題で
「仁が勝手にいなくなるから…」
ぎゅっと抱きしめると、
トクントクンと、心臓が脈打った
「寂しかったのか?」
「…う、ち、がう。」
髪を撫でられて
「本当は?」
「…寂しかった」
ニヤッと企むような顔をされる。
「可愛い奴だなぁ」
仁はなんか、すごく嬉しそう
俺はあんなに寂しい思いをしたのに!
「春斗?」
「…ないで。」
「なに?」
「一人に…しないで」
寂しいのは、もうやだ
誰も俺を見てくれないのも、もううんざり
涙の跡を、仁が指で擦ってくれた
「ごめんな…不安になったよな。
1人にしないよ。春斗の隣にずっといる」
軽く音を立てて唇に触れる
安心する言葉、態度
仁の暖かさを全身に感じるよ
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