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報告10 by栗橋
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「ようやく、帰れた。」
春斗が心配で、休んだり早く帰ったりしてるせいで、仕事が溜まりに溜まった
今日はさすがに残業
「ただいま…」
夜遅く、部屋を開けると
リビングの電気はついてたけど
春斗の部屋は暗くなっていた
「寝てるのか…」
がっかりだ
顔が見たかった
あの笑顔で、おかえり
そう言ってもらえるだけで
また仕事に行けるくらい回復すんのに
「顔だけでも、見るか。」
春斗の存在を感じるだけでも、癒されるし
「っ…や!」
春斗の部屋に入ると、
苦しそうで、辛そうな声が聞こえた
「や、やだ!やだ!っあっあ!や、ぁ」
「春斗っ!?」
悲痛な叫び
慌てて部屋に入れば
苦しそうに顔をゆがめて、寝ながら泣く春斗
額に汗をかいて
「っっ!!や、や、と、うさ…」
「春斗、起きろ!春斗!」
揺すっても、軽く頬を叩いても起きない
どうしよう
俺が…春斗を手放したから
こんな苦しんでる。
「後悔してる場合じゃない」
今、俺ができる事
それをするんだ
「春斗…」
軽く頬にキスをして
華奢な体を抱き上げる
「う、や、やだ…とうさん…」
「春斗、目を開けて。お前を抱いてるのは俺だ。父さんじゃないよ」
「う…う〜っ」
頬を撫でて、頭を撫でて
優しく背中を叩いて
届いて。
どうか、俺の言葉が…春斗の心へ
「…っう?じ、ん?」
ようやく、目を開けた。
大粒の涙を指で払う
「じ、仁っ!」
抱きついてきた春斗の体は、震えてる
「お、俺…と、父さんに…」
「大丈夫。もう、全部終わったんだ。お前は頑張った。誰よりも…頑張ったんだ。」
「…うん」
呼吸が落ち着くのを待って
見上げてくる春斗の顔にキスをする
「好きだよ、春斗…」
ごめんな
俺のせいで、たくさん傷ついた
傷つけた
「春斗、好きだ。好きだ」
うるうると瞳が潤んで行く。
もう、離さないから
もう、傷つけないから
「好きだよ、春斗」
春斗のためなら、なんだってしよう。
疲れも、辛さも全てはねのけてしまう…
そんな、笑顔を守るために。
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