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これからby栗橋
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「仁、ごめんね」
部屋に入るなり、春斗が寂しそうに言った
「ばか、気にすんな。」
くしゃくしゃと撫でると
耐えきれなくなったのか、ぎゅうっと抱きついてくる
「ごめんね、仁」
「だから…」
「違うよっ!…母さんのこともだけど、最初会った時のこと…」
最初?
「俺、父さんのことあったから男同士なんて気持ち悪いって思ってたし、それを仁に…言ったよな?」
「…あぁ。そんなこともあったな」
「じ、自分が言われるまでこんなに辛いことだなんて思わなかった。ごめん、本当にごめんなさい。ホモ野郎とか言ってごめん」
懐かしい
何も信じないってささくれてた春斗
あの時から、春斗は可愛かったな
「なんで、笑ってんだよ!!」
「ごめん、だって懐かしくてさ」
ムッとしてる顔にキスをする
そうすれば甘く溶けていくから
「あのな実際、そう思うのが普通なんだよ。」
「えっ…」
「男同士なんて、正常じゃない。そう思うのが普通。気持ち悪いと言われるのも、おかしいとも言われることもたくさんある」
春斗の顔がしょんぼりと落ち込む
「嫌なことされる事もあるし、辛い事もある。」
そんな思いを春斗にさせたくなくて。
今まで、遠ざけてきた
「嫌になったか?」
ぶんぶんと首を横に振った
良かった
「そんな風に言われても…俺、仁が好き」
あぁ、可愛い
なんて、愛おしんだろう
遠ざけてきた。
酷く傷つけてきた。
けれど俺は、春斗の手を取ってしまった
その未来を選んだんだ
「俺は春斗を手放す気はない。」
春斗と視線を合わせる
「辛くても苦しくても、俺といて欲しい」
俺とともに、偏見と戦って欲しい
隣で対等に歩いていくために。
「うん。仁と一緒にいるよ」
ずっと、2人でいたい
そう、願うから
そう、願いたいから
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