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番外編 花火 ~安田 夏樹 編~
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夏休み、みんなでスイカ割りをした懐かしい海辺に俺達二人は居た。
「師匠!これ師匠の分です!」
渡された花火の量は多く、夏樹くんを見れば俺の量の1割しか持っていない。
「夏樹くんの分…」
「俺はいいんですよ!師匠が笑ってくれるだけで、幸せなんですから」
夏樹くんの素直な優しさに心が暖かくなった。
「…なら俺の幸せの為に、花火は一緒にやろうよ。こんなに1人で出来ないから」
「はい…!」
見とれるほど綺麗な花火。
俺達は深夜なんて事も忘れて、はしゃいでいた。
「やっぱり最後は線香花火ですよね!」
どこに用意していたのか、線香花火を取りだして今度は均等に配る。
「…師匠」
「ん?」
「線香花火って、悲しくなりますね」
「ああ、確かにな」
パチパチと綺麗についているのに、突然それは終わってしまう。
儚く散る様は、とても切なくなる。
「あ、終わったー…」
突然、後ろから抱きしめてきた夏樹くん
「どうした?」
「…もう少しだけ、このままでいさせてください…」
「…分かったよ」
俺なんかを抱きしめて何の得になるのか…
けれど、夏樹くんの触れる部分が少し温かい。
安心…する。
「師匠…俺」
「ん?」
「なんでもありませんよ」
貴方を閉じ込めておきたいほど愛してるなんて…
今はまだ、言えない。
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