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頑張るから ▲▽
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最近、ノボリ兄さんが疲れているみたい
家でもほとんど会話がないし、仕事中も僕を見てくれない
もしかして好きな人が・・・・・・・?ま、まさかね・・・でも
気になりだすと気になって仕方が無い
そっとノボリの部屋に向かい、ドアに耳を近付けて中の様子を伺った
(困りました・・・・・・このままでは仕事もおろそかになってしまいます)
ん?誰と会話してるんだろう
(最近、気付いてしまったのです・・・気が付けばもうあんなに大人になっていたのですね)
大人?
も、もしかしてノボリってロリコン??
(余りにも傍に居すぎたからでしょうか・・・・・・シャンデラ、どう思いますか?)
うわーーーーっ
シャンデラと会話してるし
いや、そんな事よりもノボリは誰の事を言っているんだろう
最近バトルしたのは・・・・・・・多すぎて思い出せない
でも、みんな普通の奴だったような
も、も、もしかしてカミツ・・・・・・??
確かに彼女なら納得出来る
モデルだし、綺麗だし、強いし、怖いし・・・・・
でもでも、まさかだよね?
(誰かいるのですか?)
うぁ!見つかった
急いでドアから離れ、リビングに戻りシビルドンのぬいぐるみを抱きしめながらソファーにもたれるようにして腰掛けた
「クダリ、ずっとここに?」
「うん、どうしたの?」
「いえ」
危ない危ない
そうだ、今尋ねてみようかな
「ねぇ、ノボリ」
「どうしました、クダリ」
話しかければ答えてくれるのはいつもと同じ
でも、視線を合わせようとはしないのが気になる
「もしかして、好きな人でも出来た?」
「・・・・・・・・・・・えっ」
何、この間
すごく嫌なんだけど
「もしかしてホントに好きな人が?ねぇねぇ、誰?僕の知ってる人?」
つい、無意識にコートの襟を掴み顔を見つめた
「クダリ、そんなに乱暴にしないで下さいまし」
「誰?ねぇ、誰なの?」
どうしてこんなに感情的になっているのか、自分でもわからない
でも、ノボリはずっと僕の傍にいてくれるのが当たり前だと思っていたから
「クダリ、落ち着いて下さい」
そっと手を肩に手を置かれ、仕方なく掴んでいたコートから手を離した
「わたくしでも捕まえられない、とても欲しいのにマスターボールでも捕まえる事は出来ないのです」
「えっ?」
何の話?
もしかしてポケモンに恋をしてるの?
それは危険すぎる
いろんな意味でね
「どんなポケモン?僕も手伝うよ」
「・・・・・・・・・・・」
「ノボリ?」
「いえ、いいのです」
「どうして?僕いつもノボリに甘えてばかりだから役に立ちたいんだ」
何でもいいから役に立ちたかった
僕に出来る事なら何でも
それでノボリがずっと傍にいてくれるなら何でもするよ
「そうやって、どんどん大人になって行くのでしょうね・・・・・わたくしはいつまでクダリの傍に居られるのでしょうか」
「えっ?」
「昔から可愛くて、つい甘やかしてしまった事を後悔しているのです・・・・・・・クダリも一人の人間なのにわたしくは」
「何言ってるの?僕はずっとノボリと一緒にいるよ?」
「それが一番辛いのです」
「どうして?僕、頑張るからっ!バトルも頑張るし仕事も頑張る・・・・・・嫌いな野菜も食べるし我儘は言わないから・・・・・・そんな事・・・・・・言わないでよっ・・・・・・」
そしてはっきり自覚した
僕はノボリが好きなんだ
生まれてからずっと傍にいてくれた
双子だけど僕にはわかる
同じ顔でもノボリの表情は僕とは全然違うんだ
でも、感情だけはわからなかった
当たり前すぎて、好きと言う感情を忘れていたんだ
「泣かないで下さい」
「だって・・・・・だってぇ・・・・・」
涙を両手で拭いながらノボリに抱きついた
僕の体は黒いコートの中にすっぽりと入ってしまった
「わたくしが欲しいものはクダリです」
「えっ?」
「さすがにマスターボールでは捕まえる事は出来ませんが」
「やだな・・・・・そんな事をしなくてもノボリはもうとっくに僕を捕まえてるよ・・・・・・心までね」
「クダリ」
「でも僕、頑張るから」
「いえ、もういいのです」
「駄目っ!ノボリの為にマスターボールで捕まるように頑張る」
「・・・・・・えっ、無理」
「ふふっ」
ポケモンにはなれないけど、頑張ればきっといつかは・・・・・・・
でも、それまでは
「僕もノボリをゲットしたい」
「わたくしの心は生まれたときからクダリのものですよ」
「嬉しいっ」
「でも、その体はわたくしのものですよ?」
「ノボリ・・・・・・・・わかった、待ってて」
丸くなれば何とかいける?
「さぁ、早くマスターボールを!」
「・・・・・・・・・・・・・・クダリ、そんな可愛い天使を捕まえる事など出来ませんよ」
「大丈夫!」
「困った子ですね」
いつものように優しく微笑みながら僕の頭を撫でてくれた
僕、頑張るからねっ!
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