アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
恋の始まり/恋愛対象
-
「マジかよ? 悠さんも男の方がいいの? 言ってみるもんだなぁ。俺さ、体育とかどうしてもカッコいい奴の方見ちゃうんだよね。ドキドキするし……こういうのって悠さんも同じ?」
俺も一緒だと打ち明けた途端に、陸也は楽しそうに話し出した。
きっとこういう話を友達ともしたかったんだろう……目がキラキラしてる陸也を見て嬉しくなった。
そうだよな、ノンケの奴らとはこんな話できないもんな……
俺もドキドキするよ、陸也を見てると。
でもそれは本人には言えない──
それからというもの、楽しそうに話す陸也の口から出るのは俺以外の男の話ばかりだった。きっと陸也の恋愛対象に、俺ははなっから入っていないのだろう。 俺はあくまでも同類の、単なる相談相手……そう思ったら少し心がチクんと痛んだ。
それでも俺は嬉しかったんだよ。
ニ人だけの秘密が持てた事で、俺はもう十分満足だった。
陸也はやたらと俺と遊びたがった。他の誰より気楽だったんだろう。俺も誘われれば素直に嬉しかったから、バイト以外の殆どの日を陸也と過ごした。
陸也は俺の前で、俺以外のカッコいいと思う男の話をする。
あの筋肉質な腕に抱きしめられたらどんな気持ちになるんだろうとか、あいつはあんなに強面のくせに可愛い事言うんだぜ、とか。
陸也の話す男は、毎回決まった男ではなく違った男だった。
色々と聞いてるうちに気が付いた。
もしかしたら陸也は単純に「恋愛対象」としてじゃなく、カッコいい同性の男に憧れているだけなのかもしれない。
そう思い始めたら少し複雑な気持ちになった。
でもそれならそれで、諦めもつくってもんだ。
「悠さんはさ、どんな男がタイプなの?」
俺の部屋でゲームをしてる時、おもむろにそう聞かれて思わず手が止まる。
陸也の事が好きだけど、全く俺の事には興味を示さない陸也に気持ちを振り回され、少しイライラも積もっていた。
否……
俺が勝手にこいつの事が好きで近づいたんだ。親しくなれるように俺がそう仕向けた。
陸也は何も悪くない。
俺が陸也が憧れるようないい男になれていないだけ。
「あーぁ、悠さんヤられた! ぼんやりしてるから…… 」
俺がゲームの手を止めたから、テレビの画面には『ゲームオーバー』の文字が点滅していた。
「………… 」
遠くの方で陸也の声がする。
コンテニューするのか、もうやめて別のゲームをするのか?
陸也が俺に聞いている。
俺はなんだか、いろんな事がどうでもよくなってしまった。
もういいや……
そう思ったら俺は行動に移してしまっていた。
「ごめん、陸也 」
キョトンとする陸也を押し倒し、俺は無理矢理その唇を奪った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 108