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恋の終わり/初恋の思い出
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柔らかな唇……
ずっと触れたかった陸也の体。
目を見開いて驚いた表情を浮かべる陸也と目が合った。それでも俺は動揺する気持ちを奥へと押しやり、強引に陸也の中へ舌を捩込む。
体を強張らせ俺の肩にしがみついてる陸也だけど、すぐに力が抜けて俺の舌を受け入れてくれた。
今度は優しく陸也の口内を舐る……
どれくらい長い事キスをしていたんだろうか。
俺は夢中で陸也を抱きしめ、キスをしていた。
……そう、これが俺のファーストキス。
気まずい思いで陸也から離れ、取り敢えず「ごめん」と謝った。
頬を赤らめ、恍惚の表情の陸也はしばらく何も言わずに俺に押し倒された状態のままぼんやりとしていた。
やっちまった……
どうしたものかと考えあぐねていると、不意に陸也が声に出してハハっと笑った。
「キスって気持ちがいいんだな」
俺を見て可愛くはにかむもんだから、俺はもう抑えがきかなくなった。
もう一度陸也にキスをすると、今度は陸也の方から舌を差し出してくる。そのまま俺は陸也の下半身に手を伸ばすと、少しだけ固くなりズボンを押し上げているペニスに触れた。
「あっ……」
陸也のそれを軽く握ると、驚くほど可愛い声を出す。お互い夢中になりながらキスをし、触り合いながら射精した。
他人に弄られイったのもこれが初めての経験だった。
こうしてまた、俺と陸也は秘密を共有することになる。
それからはちょくちょく会ってはニ人で抜き合いをしていた。
お互いこういう事に興味が湧くお年頃……相手はきっと誰でもよかった。
キスをして抜き合いはするけど、それ以上のことはしない。でも陸也とキスを重ねる度に、俺の思いは膨れ上がっていく。思いは大きくなるのに、それを受け入れてくれる場所は存在しない。
陸也が俺の方へ振り向くことはなかったから。
『俺たち、付き合おうか?』
そんな言葉を毎回飲み込む。
そんな思いを胸の奥へ押し込み、あっという間に卒業シーズンを迎え、俺と陸也はそれっきり会わなくなった……
別れを惜しむこともなく、何にもなくあっさりとお別れ。
思いを伝えようと思えばいくらでもチャンスはあったんだ。
でも俺には勇気が足りなかった。
だって結果は目に見えていたから──
思いの人を遠くから見てときめいていた中学時代。
大好きな人と初めての経験を共有できた高校時代。
俺はそれで満足だった。
これが俺の初恋の思い出──
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