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お部屋デート
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敦のペースで買い物を済ませ、次はレンタルショップに寄り何本かDVDを借りる。ここ数年レンタルなんてしてないし、もちろん映画も観ていない。
俺は特に興味もなく、なんとなくスタスタと店内を進む敦の後ろをついて歩く。
「悠さんはさ、好きなジャンルとか今観たい映画とかある?」
振り向きざまに聞かれたけどすぐには頭に浮かばなかった。
「俺は別に……」
「じゃ、俺が観たいの借りてこっと…… 」
そう言った敦は次から次へと棚からDVDを手に取り、カウンターへ向かった。
「結構な荷物だなおい」
買い物の袋を二人で二つずつ持ち、敦はおまけにDVDも。
「ははっ! なんか楽しいな」
怠い俺とは反対に、敦は帰り道もずっと楽しそうだった。
部屋に戻ると、買い出ししてきた荷物をキッチンのカウンターに広げる。
どんだけだよ……
「凄い買ったな。なに? 夕飯なんかもほんとに敦に任せちゃっていいの?」
俺が聞くと、敦は袋から取り出した缶ビールをプシュっと開けた。
「おぅ! 旨いの作っから、悠さんゆっくりそれでも観ててよ」
指差された方を見るとさっき借りてきたDVDがテーブルの上に置いてある。袋の中身を見てみるとジャンルはバラバラ。
古い洋画、邦画、海外ドラマ……これは何故か途中から。
なんだ? お笑いまで入ってる。特に見たいのもなかったから、お笑いのDVDをセットしてテレビをつけた。
「勝手に借りるよ〜」
キッチンから敦の声が飛んでくる。
勝手にすればいい……てか、なんで俺の家で敦が飯作ってんだろうな。
一人でDVDを見ていてもあまり面白くもなく、キッチンの方へ体を向けた。敦が思いの外、真面目な顔をして何かを作ってる。
「………… 」
俺の視線に気がついた敦が笑いながら小首を傾げた。
「なに? 一人でつまらない? もうちょっと待っててね。簡単なつまみ作ってるから」
しばらくすると片手に二皿を器用に乗せた敦がリビングに来る。
「ジャーン! どう? 旨そうでしょ?」
一方の皿にはさっき買ってきたチーズが数種類綺麗に並べられ、もう一方はクラッカーにアボカドかな? 小皿に入ったディップがのっていた。
「ワイン呑まね?」
片手にワインも携えて、ソファに座る俺の隣にドスンと腰掛ける。
距離が近くてドキッとしながら、俺はさりげなく敦から離れるように座り直した。
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