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ぬくもり
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結局、俺と敦は一緒にベッドに入った。
かつて陸也がそうしてくれたように、敦は俺を背後から抱きしめる。
久しぶりの人のぬくもり……
人肌恋しい、愛されたい……そう思って、実際こうやって優しく抱きしめてもらっても俺は穏やかな気持ちにはなれなかった。
俺は陸也しか知らないから……
「……ごめん悠さん。嫌だったら離れるから」
すぐ背後から敦が囁く。
ほんの少しかかる吐息にさえ意識がいってしまい、どうしようもなく胸が騒ついた。
「ううん……大丈夫」
ドキドキが伝わってしまいそうで、俺は小さくそう言って身を縮める。
俺の胸元に優しくまわされている敦の腕が、微かに震えた。
「悠さん……俺、我慢できる自信、ない。どうしよう……」
首の後ろに敦の声がかかる。
一緒にベッドに入った時点でこうなる事は想像できた。敦が俺に好意を持ってくれてるのも知っている。
俺もきっと敦の事が好き。
いや、でもはっきりそう言い切れない。
……わからないんだ。
寂しくて、誰かに甘えたい。
もしかして俺も敦の事が好き……でもまた誰かを好きになって辛い思いをするのが怖い。
いろんな感情が渦巻いて、だから敦の気持ちに応えることができないでいたのに。でもやっぱり寂しい気持ちが大きくて、誰かに触れてもらいたいって思ってしまった。
……淺ましい。
「いいよ、敦の好きにしても……」
俺を抱きしめている敦の手にそっと触れ、深呼吸してからそう言って俺は覚悟を決めた。
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