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(すごい綺麗な声……どこから聞こえるんだろう?)
俺はベンチからたちか立ち上がり、その声がするほうへ歩いて行った
それはまるで、導かれるようにーーーーーーー
森の中に入っていって風に揺れる木々を感じながら
俺はその足を進める
近づくほど、はっきりしてくる歌声
そして
森を抜けるとそこに広がっていたのは
緑の草原に白い城壁の残骸とその上に立つ白い少女
『ーーーーーー♪ ーーーーーー♪』
長い白の髪をなびかせ後ろ姿で歌っているが、俺には分かる
あの子はあの時、音楽科の校舎にいた女の子だ
『ーーーーー♪
ーーーーーーーーーー♪』
何の言葉かわからないが、ものすごく綺麗な歌で俺はその歌に魅入ってしまう
『ーーーーー♪ ーーーーーーー♪』
なんだろう。
この歌の意味はわからないけど、この歌には悲しみと慈愛の感情がこもっているような……
そんな感じがする。
『ーーーーーー♪
ーーーーーーーーーーー♪
ーーーーーーーーーーーーーー♪
ーーーーーーーーーーーー…………』
やがて、
彼女はその歌を歌い終える…………
歌い終えた後、静かに風に揺られ
呆然と俺はそこに佇む白い少女の姿を見つめた
そうしていたら彼女は後ろ向きのまま喋り始める
「人の歌ってるのを盗み聞きしてるなんて、趣味が悪わね。あなた」
どうやら初めから俺が居たことは気付いていたみたいだ
後ろ向きだった白い少女は振り向き、俺にニコリと微笑む
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