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ロアがそっと俺を下ろす
目をゆっくりと開けてみれば、そこは古びた石造りの円状の建物が建っていた
「ここは……。」
「去年まで使われていた図書館です。
でも、あまりにも遠くて今年から本校舎の近くに移動したんですよ
使われる主な本は本校舎の方へ移動しましたが、あまりにも古くて難しい本などはまだ此処に残っているはずです」
歩いて行って扉の前まで来ると鎖で巻かれ掛けられていた錠前が外れている
開けると扉はギイッ……という音を立て、俺たちは中に入った
「わぁ……
すごい本の数だな……」
そこにあったのは壁全体が本で埋められた部屋。
去年閉館になったとはいえ、未だ部屋がきれいな状態で保たれていた
「あ……。」
モノクロに敷かれた石床の中心には高級感のある大きな机が置いてある。
そこには椅子に座って本を読みふける見知った金髪の姿が
真剣に本を読んでいるその姿は誰もが見惚れてしまうほどとても美しい
「……トト?」
俺が小さく呼びかけると、彼は平然として顔を上げる
俺を見るとフッと笑い、隣りにいるロアを見た途端顔を顰めた
「……なんでお前まで来てんの?」
俺たちが近くまで寄ると読んでいた本を閉じて睨んでいる
「……え、えっと……実はトトさんに解いてもらいたいものがあって…僕が悠馬さんにお願いして一緒に探してもらっていたんです」
「へぇ……。一緒に…ね」
「そうっ!だからトト、ロアに協力してくれよ」
「無理。」
そういって本を持ちガタリと席を立つ彼は、そのまま俺たちの横を通り過ぎスタスタと扉のほうへ向かってしまう。
「そんなの自分で解けば?俺には関係ない」
「……。」
その言葉に、隣りにいるロアが悲しい顔をしたのを俺は見逃さなかった
そうか……。お前がその態度をとるならこっちだって手段があるぞ
「トト。ロアのお願い聞いてくれなかったら俺、もうお前にご飯やらないから」
扉を開け出て行こうとした彼の動きがピタッと止まる
「その言葉の意味、お前わかってるよな……?」
「……………………。」
「????」
ロアはご飯の意味をわかっていないようで頭の上に
クエスチョンマークを浮かべている
しばらくの沈黙が続いた後、トトが俺たちの元に戻ってきた
顔はすっっごく、不満そうな顔をしている
「……おい。」
「は、はいっ」
「俺に解かせたいものって何?
……解いてやるから俺のところにそれをもってこい」
その言葉に彼は一瞬笑顔になるが、目を泳がせ焦った表情になる
「すみません……。
トトさんに解いてもらいたいもの、今俺の部屋にあります……」
「は?」
「えっ、そうなの?じゃあロアの部屋に行かなくちゃじゃん」
時間を見るともう夜の7時。もう寮に帰る時間だし丁度いいか
「じゃあ、今からロアの部屋に行こうか」
旧図書館から出た俺たちは始め来た時と同じようにロアに担ぎ上げられようとしたが、それをトトに阻まれる
「ゆーまはコッチだろ。」
「ちょっ……!!」
そういって俺はトトにお姫様抱っこされる
男がお姫様抱っこって恥ずかしすぎるだろ…!!
「じゃあ、行くよ。
早く終わらせて俺は部屋に帰りたい」
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