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28.どこにだって来てくれるでしょう?王子様!!
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少年幼女たちに引っ張られてスーパーを出ると、彼等は凄いスピードで走る走る…。
「待てぇーーー!!」
後ろには結構必死な顔の桜夜が見える。
ヤバイよ!!
僕のためにあんな必死な桜夜見たことないよ!?
マオちゃん感動!!
「ちっ!!しつこいなっ!」
「近道しようぜ!!」
ジーンと来てたら、急に少年幼女たちが方向転換っ!
「え!?どこ行くのぉ!!」
「!?マオ!!!」
桜夜の声を背中に受けながらも、僕は暗い路地裏へと連れられる。
「うわっ、狭っ。」
「お姉ちゃん早くー!!」
「コケんなよ!」
路地裏なんて初めて入ったし、こんなに狭いものだなんて知らなかった。
そんな場所を僕の手を引く子供たちはネズミのようにすばしっこくて、スルスルと駆け抜けてく。
そんなに走ったらコケちゃうんじゃないかなぁ…って心配になりながらも、自分の方が何度かつまずいてる!!
コケて顔面強打とか絶対ヤダ!!
僕の可愛い顔がっっ!
「もうすぐ大きな道だよぉ。お姉ちゃん。」
幼女の声で視線をあげると、確かに開けた道が見えた。
「よっしゃ!まいたなっ!!」
「お姫様強盗作戦成功!!」
「「ワァーーーイ!!!」」
…強盗って…。
多分、間違ってるよ?
何か、すごく悪人っぽいもん…。
それにしても…ここどこなんだろぉ?
きっと、桜夜は怒ってるだろうし…。
…こんなに勝手なことしちゃったし…多分迎えに来る…なんて無理だろぉな…。
ちょっと…凹んできた…。
「お姉ちゃん?」
「!…ん?なぁに?」
幼女は僕の服の裾を掴むとクイクイと引っ張った。
…座ればいいのかな?
「…お兄ちゃんといれなくて…寂しいの?」
「え?」
「でもね…花たちと遊んでたら楽しいよぉ?」
「…。そうだね、花ちゃんたちと遊んだらきっと楽しいね?」
幼…えっと、多分花ちゃんは、僕の言葉にニッコリと微笑んだ。
「うん!!だからね、バイバイの時間まで遊ぼぉ?」
「いいよぉ。」
帰れるか分からないけど…。
家にユイと、多分、みっちゃん待ってると思うんだけど…。
「バイバイの時間になったらねぇ?」
「?」
「花はママが迎えに来てくれるのぉ。」
「うん。優しいママだね。」
「うん!!ママ、花のことだぁ~い好きだから来てくれるのぉ。」
花ちゃんは、ニッコリ笑顔をもっと輝かせて僕の手を握った。
「だからねぇ~?お姉ちゃんのお兄ちゃんもきっと迎えに来てくれるよぉ?」
「え?」
「だって、お姫様のことは王子様が絶対迎えに来るのよぉ、ってママがいってたもん。だから、大丈夫だよ?」
頭をなでなでしてくれる花ちゃん…この子…天使だなぁ。こんな妹欲しいよ…。
「…王子様…。」
「??…そうでしょう?」
王子様…僕の王子様!!
「うん!!そうだよ!」
きっと迎えに来てくれる。
だって、僕の大好きな王子様は、不器用だけどとっても優しいから。
「ここでお菓子買うんだぜぇ~!!」
…ちょっとよくわかんない駄菓子屋にだって…きっと迎えに来てくれる…はず…多分。
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