アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
作戦延期
-
ファービーとダンディーが同盟を組んで俺を貶めようとしたことを知った先生達は安全を優先して統一作戦を延期しようと言った。
心配してくれてるのは嬉しかったけど、そもそも最初から簡単に行くと思ってなかったし脅されたとはいえ俺の勝手な判断で招いた結果でもある。だから先生の前では分かったふりをしておいたけど、一人でも作戦を続けることに決めた。
と言ってもそんなの全然思い浮かんでねえし、レイプされて泣く泣く引き下がるっていうのが悔しかっただけなんだが。
翌日。
昨日の一件で少々不貞腐れていた俺は昼前という微妙な時間に登校した。保健室でのやり取りを思い出してしまい重い足取りで別棟へ向かおうとしていたが本校舎の玄関から突然誰かが飛び出してきた。
まるで俺が来るのを今か今かと待っていたように現れたのは問題児七山で、俺の腕を掴むとグイグイと校舎へ引っ張っていく。
「ッてめぇは!おい!」
朝から嫌な奴に捕まっちまった。昨日の今日で勘弁してくれ。
「いきなり何しやがる」
手を払いのけたら七山がただならぬオーラを醸し出してシャツの襟首を掴みぐい、と顔を近付けてきた。
「おはようみのりー」
「……、何だよ」
めちゃくちゃ怪しい。周りにはとりまきも仲間らしき人影も無く、こいつ一人だけのようだ。じっと見つめていた七山は不満そうな顔つきでシャツから手を離したかと思うといきなり抱きついてきた。
「昨日総長とヤったんだろー?」
「っ!?」
するりと伸びた両手が昨日の行為で敏感になってる尻を掴む。気怠さと痛みは全然治ってなくて、触られた事でビクリと体が強張った。くっついてる七山にもそれが伝わったはずだ。
「ズリーよなァ、俺が先に喰うはずだったのに。横取りするなんてマジありえねえ」
「おい、やめろって!」
全く聴く耳を持たない七山の手に力が篭り加えて何やら恐ろしい単語が聞こえる。
ヒィィ、超痛え。
「正直、闘争とかチームとか俺にはどーでもいいんだよなァ、…総長からは御法を先生に近付けないように見張ってろって言われたんだけど」
見張り?…総長人質の復讐をしに来たんじゃねえのか。どういう事だ?と七山を見たら「教えて欲しい?」と、怪しい笑みで返された。
「まあ御法とセックス出来ンならいいかなァって感じ?」
はぁ?!
「ふざけんなッ二度もヤられてたまるかっつーの!」
七山の拘束を振りほどいた刹那、捉えきれない速さの強烈なボディブローが見事に鳩尾にヒットした。
「悪ィけど俺本気だから」
「ア!?」
やむなくその場にしゃがみ込んだ俺を抱えるとズルズルと引き摺り近くの教室に投げ込む。
ガシャコン、とドアの鍵を閉めた七山の顔を見て涙が出そうになった。
(マジで、泣いていいっスか)
連れ込まれた部屋は倉庫らしくダンボール箱や壊れた家具が乱雑に積んである。登校早々大ピンチじゃねえか。
またもや襲われる危険を感じ一歩ずつ迫ってくる相手から逃げようと後ずさった。
「お、おまえ、正気か」
「あー?言ったろ?俺、お前のこと超タイプだって」
狭い部屋でもう逃げ道が無い。組み敷いてきた七山を押し退けようとするがさっき殴られた腹が痛くてうまく力が入らねえ。
「へへ、悪いようにはしねえからさァ」
「!うっ……ッ」
口を開いた隙に両頬を掌で挟まれ唇を塞がれた。熱っぽい呼吸を感じ相手が興奮している事を知る。ちゅる、と舌が入り込んだかと思うと七山が咥内を弄び始めた。一方的に粘膜を探られ舌を巻き取られていく。どんどん身体の力が抜けていき、相手の動きに翻弄され自分の舌がおいつかない。
「ん、ふ、…んん」
…あれ、こいつもしかして、物凄く、うめえ…。
高校生が持ってるスキルだとは思えねえディープキスだ。今までしたどんな口付けよりもえげつない。昨日はガムテープをされて必死だったから気づかなかったけど、七山はとんでもないテクニシャンなのか。
「ふ、…っ…ん、…」
「みのり、」
抵抗することも忘れて夢中になって食いついていたらいつの間に唇が離れていた。生ぬるい空気が乱れた呼気とともに喉を通っていく。
「は、ぁ、…?」
目を開け散々吸い付かれてじんじんと痺れる唇に思わず触って確かめた。
(ヤベェ、今の本当にキスだったのか)
心の声が漏れてしまったのか、俺の表情のせいか、七山の微笑に気づきようやく我に返った。
「そんなに気持ちよかったァ?」
「ちちげえ、今のはっ」
惚けてる場合じゃなかった。危ねえ。起き上がろうと伸ばした腕を七山の手がしっかりと掴んだ。そして掌を合わせ指を絡めてくる。じわりと体温が繋がっていく。
「だからどうでもいいじゃん、今は俺と気持ち良くなる事だけ考えてれば」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 19