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本当に何なんだよ
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「はぁー…」
俺、永瀬佑(ながせ ゆう)はただちょっと喧嘩が強いだけで、毎日いろんな奴から
『永瀬ぇ!!俺と勝負しろやぁ!』
こう、喧嘩を挑まれる。
めんどくさい。正直俺には不良の頂点やらなんやらには興味がない。
そもそも頂点てなんだ?厨ニ病なのか?
まぁクラスの奴等が俺を避けたり怖がったりしないのは結構嬉しいし、安心している。
「どうしたの?佑。また喧嘩挑まれたの?」
「まぁ」
「お疲れ様」
こいつは俺の幼馴染の、宇井梓(うい あずさ)。こんな俺といつも一緒にいてくれる。
まぁ、梓も梓で人には言えないような趣味の持ち主だけど。
…趣味とゆうより、癖だな。と、そんな事を淡々と考えていたら
「おーい、お話中悪いが隣のクラスの男子が宇井の事呼んでるぞー」
「わかったー。ごめん、ちょっと行ってくるね」
たぶん告白だ。可哀想に。
梓の趣味…と言うより、癖は『女装』だ。
まぁその完成度が高すぎてこの高校1の美少女だなんて一部には言われてるけど。
それに、入学式にまで女装姿で来たから梓が男と知っているのは、俺とこのクラスのやつらくらいだ。
「暇ぁ…」
「お、おーいなんか呼んでるぞ永瀬。お前ら2人人気者だなぁ。」
どうせ喧嘩か。まぁ、暇つぶしくらいにはなるだろ。
梓にはメールとかしとけば大丈夫だろ。
「え、えっと、わざわざ来てくれてありがとうございます。」
……えーと。こいつが殴り合い…?それにお前が呼んだのにわざわざって。
そこにいたのは、殴り合いなんて全くし無さそうで貧弱そうな男だった。
「えっと、今日の放課後屋上に来てくれませんか?」
「…えっと、なんで?」
「お、お願いします!!」
「わ、わかった。放課後だよな?」
そう言うと「は、はい!ありがとうございます!」と嬉しそうに笑ってどっかに行ってしまった。
「あ、そういや名前聞いてねぇ。まぁいいか。」
──────────────────
放課後
俺は言われた通りに屋上に行った。
何人かで待ち伏せでもしてんのかなとか考えながら屋上の扉を開けた。
「……誰もいねえ…」
10分経っても屋上には誰もいない。くる気配すらない。
「…くそっ…何なんだよ…」
教室に戻ろうと立ち上がり、屋上の扉を開けようとした時
バキッ?
首筋に激しい痛みが走った。
俺はそのまま倒れていく。
はぁ…
……本当に何なんだよ。
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