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金鳳花 24
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永き時
破られる事の無かった自身の戒注連
それが何度ともなく意図も簡単に破られる
永き時
再び惨状を起こすまいと
禍モノからこの地を護り続けてきたが
目の前に存在する鶯の鬼が現実を思い知らせる
鶯の鬼が現れてというもの
白い男の平穏が崩れ始めた
「お主………どうやって此処に来たのだ」
鶯の鬼と距離を措き
陽の気持ちよく射し込む縁側に腰を据え
此のままでは埒が明かぬと男が問うた
鬼はギロッと一度睨んだが
男の真摯な態度に渋々といった様子で
「あそこからみてぇだな」
「覚えてねぇ」
鬼は天井に開いた穴を指差して答える
ふざけた様子はあるものの
何処か表情が暗く微かに忌々しげだ
男は昨夜の溶けかけた鬼を思い起こし
「確かに…酷く傷付いていた…」
鶯の鬼の舌打ちが聞こえる
「だから魂繋ぎしたってのか?」
鬼の言葉に男が
なんの事かと不思議そうに聞き返す
「魂繋ぎ?」
男の様子に眉をピクリとさせて
鬼が呆れたように溜め息を1つ
「お前も気付いただろ?」
鬼は自身の右腕を伸ばす
その鶯の肌に左手の爪を肉に埋め込む
ツッと少しだけ掻くと
血の線が伸びる
「っ?!」
白い男の右腕に小さな痛み
男がそこの着物を捲ると
鬼と揃いの傷ができていた
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