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結局、放課後まで捺芽は眠っていた。
流石に帰らせなくてはならないから、心苦しくも捺芽の肩をそっと揺すった。
「ん...」
捺芽がゆっくりと目を開けた。瞬間、捺芽の顔に恐怖の色が浮かんだ。
「や...だ...い......だ...さ...で」
「捺芽!」
譫言のようにブツブツと小さな声で何かを行っていたが、生憎小さすぎてよく聞こえなかった。
俺を誰かと勘違いしているようで、酷く怯えて見えた捺芽を俺はそっと抱きしめた。
「捺芽...俺だ。美影だ...分からないか?」
なるべく優しく声をかけた。
「ひっあ...み、かげ...」
「あぁ美影だ」
「美影...美影、美影」
縋るように俺の名前を呼ぶ捺芽の姿は酷く弱々しく、儚げで消えてしまいそうだった。
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