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やばいかも。拓海side
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「…鈴木くんごめんねー」
「謝罪はいいから早くどいてって…!まじ、潰れる…!」
折れた脚は膝上から固定されているもので、力は入らないし。
逆の左脚も、右脚の膝をつかないと立ち上がれないし。
まじで、冗談抜きで立ち上がれない。
「…どけないんだよねー…」
「潰れて死ぬっ…!…んっ!」
力を込めて俺の肩を押す鈴木くん。
小動物みたい。
いや、まじで鈴木くん顔真っ赤にして潰れそう。
「あ、腕は折れてなかったわ」
「あほっ…!…はぁ、早くどいてっ…!」
腕をついて腕立て伏せのようなポーズになる。
いやー俺あほ。うん。腕の存在忘れてた。
「…何してんの早くどいてよ」
「脚は動かないんだよねー」
キーンコーンカーンコーン
「「あ」」
「やっべ授業始まった!!鈴木くん行ってきていいよ!」
「バカなの三國くん?!三國くんが乗ってて動けないの!」
「抜け出て!頑張って脚くらい!」
めっちゃ頑張って俺が右脚を浮かすと、鈴木くんが左脚を横にずらして、そのまま俺の下から抜け出…せた。
鈴木くんに支えられて俺も立ち上がる。
「鈴木くん!木村うるさいから遅刻に!早く走って!」
「え?でも…」
体育の木村は熱血の超絶うるさい野郎だ。
鈴木くんが俺のせいで怒られるわけにはいかない。
「いいから!あと渡り廊下くらい俺も行けるから!」
「…わかった!」
実際もう遅刻だけどね!
後で俺が弁解しとけばいいでしょ、うん。
走って行く鈴木くんの後姿を見送って、俺は地道に渡り廊下を歩いた。
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