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業後の居残り。俊哉side
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「…はぁ。」
小さくため息をついた。
教室には誰もいなくて、俺は体育の授業に遅刻したってことで反省書を書いていた。
放課に書けばいいと思うのに、木村先生は「放課は友達と楽しく過ごせ!だから業後にやれ!」と言う。
熱血で古風で変な先生。
トレーニングくらい出来るからって三國くんは部活に行っちゃったし。
クラスメイトも委員会や部活動、帰り道に遊ぶとかって本当みごとに誰もいない。
反省か…俺、忘れられてると思うけど学年首席だからこんなのすぐ書ける。
先生も半分でいいって言ってたし。
シャーペンを筆箱から出す。
ふと、教室の前の出入り口に人が立っているのが見えた。
「…?」
「あっ…!…あの、鈴木くん…」
一応クラスメイトは全員顔と名前を覚えているから、隣のクラスの子とか、かな。
「あの、3組の神崎です…」
「…神崎さん、俺に何か用?」
小柄な女の子が歩いてきて、俺に何かを差し出す。
見るとそれは可愛らしい封筒だった。
「これっ…!受け取ってくださいっ!へへ返事は、後でいいからっ…!」
「…へ?」
「じゃあっ!」
まくしたてるように早口で言ってから走り去る神崎さん。
顔が真っ赤で、これ、これ…はラブレター??
まさか。
俺みたいな目立たない奴のどこが。
いや…え?
ちょっと待ってこんなの渡されちゃったら反省文書けない。
後で読もう!!
とりあえず早く反省文書こう。
落ち着け、俺。
ラブレターなわけ、ない。
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