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返事を。俊哉side
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「友達からお願いします…か」
今日は一日中、授業もろくに頭に入ってこなかった。
ずっと返事を考えてた。
気づいたらもう皆は帰り支度をしていた。
そして部活に委員会へ行く。
三國くんに報告みたいなのは出来たけど、相談は出来なかった。
朝、歩いてる時間だけじゃ足りなくて、でも放課に出来るような話でもなくて。
ふと見ると、三國くんはもういなかった。
部活に行ったんだろう。
周りを見ると、教室にいるのは帰りの寄り道の話をしている数人だけ。
そしてそのうち教室を出て行く。
残ったのは俺だけ。
教室の出入り口に、黒髪ロングのあの子。
はにかむように笑って、緊張したように歩いてくる。
「…神崎さん」
「あっ、あの…手紙、読んで…くれた?」
首を傾げる姿がとても可愛らしい。
さらりと流れる黒髪にまだ明るい太陽の光が反射して光っている。
「…読んだよ」
軽く微笑んであげる。
俺って微笑むこと出来たのか。
「…返事は」
「NO、で。神崎さん」
俺の言葉を遮るはっきりとした声。
振り向くと、ドアにもたれかかる三國くんが目に入った。
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