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帰り道。拓海side
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「鈴木くん、今日俺ん家寄ってかない?」
その日の帰り、俺は部活を休んだ。
キャプテンに許可もらったし。
松葉杖の俺に合わせてゆっくり歩く、朝と同じ光景。
ちょっと違うのが、鈴木くんのテンション。
俺の気分も、朝とは違う。
「…いいよ」
すぐに着く俺の家に、もう慣れたように上がる鈴木くん。
いつもは俺のベッドに遠慮なくダイブするんだけど、今日は何故か椅子に座った。
俺は机に松葉杖を立てかけてからベッドに腰かけた。
「…鈴木くん、ごめんね」
「いいってば」
鈴木くんはきっと、俺が告白の返事を遮ったことに対しての謝罪だと思っている。
だけど、この『ごめんね』の意味は違うんだ。
「…鈴木くんを取られたくなくて」
「…?どういうこと?」
ほらねやっぱり首をかしげている。
でも、でもさ、男同士で、友達で…好き、なんて、そう簡単に言えるもんじゃないし。
ってか本当、嫉妬したのかな。
たまたまあの子で、嫌悪感で、鈴木くんが可哀想だから、って理由で遮った…
やっぱり違う。
「…そのまんま」
意味わかんない、って苦笑する君を見てる俺は、きっと悲しい眼の色をしている。
けれど君はそんなこと気づかない。
気づかれちゃったら困る。
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