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意識してるつもりは…。俊哉side
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計算をしている拓海の顔をなんとなしに眺めてしまう。
そんな自分に気がついて、何をしているんだと小さくため息を吐く。
気がつくと拓海を見ている。
昨日変な夢見たせいだよな。
そうに違いない。
自分に言い聞かせて、拓海の質問に答える。
数学のプリントの一枚目が終わり、休憩を提案するとジュースを手渡してくれた。
ジュースをもらい、飲んでいると拓海が話しかけてきた。
なんで俺のこと見てるの?って。
え。俺、そんなに拓海のこと見てた?
俺のまだ中途半端な気持ちもばれてる?
そんなに俺のこと好き?ってふざけた声音で聞いてくる。
俺はいつもその問いになんて答えてたっけ。
俺は嘘をつくのが苦手、相手を傷つけないように気を配った嘘でさえばれる。
きっとばれてる。
どもっちゃ、だめなのに。
どもってしまって、拓海の表情が困惑の色を浮かべる。
困るよな。ごめん。
友達に、男に、恋愛感情か分からないけどそんなような感情で、好きだなんて思われてたら。
言うな、言うな。
勝手に動く口、せめて冗談ぽく、頼む。
この変な気持ちが溢れて、きっと自覚するなんて時間の問題で、そんなの知ってる。
つもり。だけど、知ってる。
真顔で告げそうになるのをどうにか堪えて、笑顔で、冗談ぽく。
「…好きじゃなくて、大好き」
俺は自分で気持ちを制御出来なかった。
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