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まだ。拓海side
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もう俺は止まれない。
やってしまったから、後戻りは出来ない。
この気持ちを伝えるしか、ないのかな。
10cmの距離のまま、赤い顔を見つめる。
りんごみたいで、本当、食べちゃいたいよ。
愛しい。
「…た、くみ……」
やっとのことで出たような、か細い声が俺の名前を呼ぶ。
初心だね。
まぁ俺も本気で好きだなんて思えた人は君だけだから必死なんだけど。
「…ごめん、俊哉。聞こえちゃったから」
真顔をなんとか笑顔に変える。
いつか、誰かに言われたな。
俺の笑顔は嘘っぽい、だなんて。
「…ぁ…え、と…」
何かを尋ねようとしているのが分かった。
その内容も、きっと分かる。
「…拓海は俺のこと好きなの?でしょ?」
ほんの少しだけ頷いた俊哉は、目をそらした。
ねぇ、なんでそんなに純情なの。
愛しくて本当、仕方がない。
「好き、です。…友達じゃない方で。」
微かな希望、つまり脈がある気がして、畳み掛けるように気持ちを伝える俺は少し性格が悪いのかもしれない。
俊哉の逃げ道を塞いでいる。
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