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夕焼けの中の君。俊哉side
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教室が暖かなオレンジで染まる夕暮れ。
自分の席に座っているのは、俺の好きな人。
皆が部活に行って2人だけの教室は、かなり広く感じられた。
日直の仕事で少し部活に遅れるのが嫌だけど、仕事を雑にやるのも嫌だって言って、黒板から椅子の並び、日誌と全てしっかりとやっている。
最初の印象だと、そんなしっかりとした人ではなかったのに。
自分でも、びっくりだと言っていた。
「俊哉、何考えてるの?」
笑いを含んだ声が響いて、拓海を見る。
俺が廊下側に居るため夕陽の逆光で顔は見えないものの、微笑んだ気配がした。
「拓海のこと。」
軽く俯いて、思わず上がる口角を誤魔化す。
文字を書く音が止まり、日誌を閉じて椅子を引く音がした。
「俺も、頭ん中俊哉でいっぱい」
顔を上げると微笑む君が目に入る。
夕陽を背中にした拓海はまさに太陽の様な人だと思った。
「…それは変態だろ」
「えっ…?!しょーがないじゃん俊哉可愛すぎるもん」
「もん、じゃない」
慣れたこのふざけあいも、ずっと続けばいいなと願って。
続けさせる、いつか終わりが来ようとも。
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