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ぐるぐる。俊哉side
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1人。
1人の帰り道、考えていたのは拓海のことだけ。
あの容姿で、モテない方がおかしいんだろうけど、はっきり断ってくれても良いじゃん。
彼女じゃないけど、恋人がいるって言ってくれても良いじゃん。
…あの子たちに恋人がいるって言って、面倒なことになるのも分かるけど。
相変わらず、女の子の告白は止まらない。
頻度は減ったものの、それでも一週間に1.2回はある。
そのときの断り方にも、恋人がいるからとは言わない。
ごめん、好きな人いるんだ
仕方ないかもしれない。
男同士。
だけれど、それでも。
好きな人って言ってもらえるだけで嬉しいけど。
俺と、勉強するって約束があるんだから、嘘の笑顔ですぐに切り上げてよ。
なんて思ってた俺は、いつからこんなに独占欲があったのだろう。
モノには固執せずに生きてきた。
記憶がないくらい小さい頃も、お気に入りのおもちゃを取られても泣かなかったと言われるくらい。
いつか、一度だけ、父さんにもらったどこかのお土産のペンを壊されたときに気づいた。
小さいながらに、モノはいつか無くなると。
友達だって、いなくなるモノだと。
初めての大切な、大切な恋人。
失うのが怖くなかった俺が、怖いと思っている。
可愛い女の子の方が良いのだろうか、と、ぐるぐる回る考えが止まらない。
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